甲本ヒロト/真島昌利: 2007年9月アーカイブ
コミカルなナンバーであるこの『むしむし軍歌』
歌詞にはヒロトが敬愛するジョナサン・リッチマン色が出ていると思う。
最初は笑って聴いていられるが、
才能ない やる気もない
大丈夫かな 大丈夫だ 戦争だもの
でなにか、はっとさせられる。
後半部ではこの部分が
学歴ない 就職ない
みんな合格 大歓迎 戦争だもの
となり、もう他人事ではいられない。
ジョナサン・リッチマンも甲本ヒロトも、そして以前ヒロトの歌詞/詩の比較として出した金子みすずも、擬人化をよく用いる詩人である。擬人化という言葉自体意味がないのかもしれない。人を最上位の知的生物だとは見ていないのかもしれない。とにかく様々な生態をもった生物のそれぞれの事情を慮ることを忘れない。
彼らの優しさ、ともすればメランコリックな精神は誰かが笑えば、誰かが泣くことを知っている。
ある悪魔がどこか別の場所で天使になることも知っている。詩や芸術に一番大切な「平等性」を常に考慮している。作者が一番偉いという意識も彼らにはなく、作品に対してのすべての解釈を許す。
甲本ヒロト、真島昌利の楽曲に対して説明不足、思考停止を問う批判の声は少なくないが、実はそれがどれだけ愚かしい行為か考えてみても欲しい。答えはすべては僕らの中にあり、作者とのすりあわせは不要だ。
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この曲、『悲しみのロージー』は異質ですよね。
『レフュージア』と同じくらい異質です。
他の楽曲とのバランスがとれてません。しかし、『悲しみのロージー』も『レフュージア』も
ジャケットの印象から言うとあってるんですよね。
ジャケットから受けるイメージを体現している曲であるなーというのが正直な感想です。
やはり Rosie ということなんでしょうか?いろいろ調べてみたところ、
The Roostersのこの曲に対してのアンサーソングか、という気にもなってきます。
さて、この『悲しみのロージー』で注目したいのは、
「愛されたいか たたきこんでやるぜ」
という一節です。甲本ヒロトがこの「愛」を直接的に使うことって珍しいですよ。事件です。
『リンダリンダ』では「愛じゃなくても」
『千年メダル』では「愛せなくてもいいか」
『愛はいらない』はまんまその通りで「愛はいらない」
常に言葉として形骸化された「愛」を否定するかたちで、「愛」に勝るとも劣らないものを表現してきたのですが、ここに来て「愛されたいか」とは驚きです。
いきなりマッチョになったな、という気持ちです。ここに来てロックスターであることに覚醒したのでしょうか?
『情熱の薔薇』と比較してみると、『情熱の薔薇』は「花瓶に水をあげ」「咲かせよう」と努力します。一方『悲しみのロージー』は「最後の薔薇」さえも「枯れ」てしまうわけです。
THE BLUE HEARTS 時代にヒロトは「情熱の薔薇はブルーハーツの様式美だ」と語ってました。
ってことは『悲しみのロージー』はクロマニヨンズの様式美と成りうるのか?というのはうがった見方、聴き方がすぎますね。はい。
*「マッチョ」で思い出しましたけど、やはり最初は薔薇族的なものをイメージしちゃいました。情熱の薔薇のPVもオカマチックだったしね。「愛」の証として、何を「たたきこんでやるぜ」なのか気になるところ。
ザ・クロマニヨン ズの CAVE PARTY が、やはり良い。先日の感想が浅はかであったな、と反省。
『ギリギリガガンガン』や『紙飛行機』といったシングル先行物より、他の曲のほうが好きなのは毎度のこと。
『夢の島バラード』は、「ビリ ビリ ビリ」の部分だけで、『ナビゲーター』を彷彿している自分がいる。単純だな。THE BLUE HEARTS 時代には、「恰好悪い」ものを擁護する姿勢が曲中に良く見えた。ファンもそれを受け入れた。ある意味それはパンクの姿勢と言えなくもない。
しかし、ザ・ハイロウズ、ザ・クロマニヨンズ を経ていくごとにその姿勢は薄れていく。
この『夢の島バラード』にも、同じことがいえる。「ゴミであり ビリ」とゴミをゴミとなんのメタファーもなく言い切るのみ。従来なら、このゴミを「格好良く」みせる姿勢があった。その姿勢がもう無いのだ。
おそらく変わったのである。
ゴミを「格好良く」見せようとする行為は、ゴミが「恰好悪い」という事実を認めているからこその行為であり、小賢しいリフレーミングであるからだ。
彼等自身、自信に満ち溢れているのかもしれない。彼等自身が歌えば「恰好良い」のである、というところか。THE CLASH が『CAREER OPPORTUNITIES』を歌えなくなった理由と似ているといえば似ているかもしれない。
=====http://www.punkysurfgig.com/pkjjoestrummer.htmlより引用=====
また、貧困の中で鬱憤がつのる若者達の代表として歌い始めた彼らは、CBSと契約した時、「CAREER OPPORTUNITIES (こんな世の中で成功のチャンスなんかあるわけない、と歌った反政治的な歌)
は、もう皆の前で歌えない」と語り合ったこともあったというように、ロックバンドとしてビッグになるにつれ、自分達のスタンスと現実がだんだん離れていく矛盾に葛藤するようになった。
========================引用終わり=========================
自分たちのスタンスと現実が-というところが甲本ヒロトと真島昌利に当てはまるかはわからない。
しかし、自分たちの現況を客観視する力はこの二人はとても優れているとは思う。
昨日ついに購入しました。CAVE PARTY(初回生産限定盤)(DVD付)とザ・クロマニヨンズ (初回限定盤)(DVD付)であります。
CAVE PARTY(初回生産限定盤)(DVD付)は発売ほやほやの新作。
クロマニヨンズのアルバムは初めての購入になるのですが、初回限定にDVDはもはや恒例なのでしょうか?クロマニヨンズTVがくだらなすぎてしょうがないです。なんでしょうかあのやる気のなさは。
さっそく2作続けて聴いてみたわけですが、思ったよりよかった、というのが感想でした。
僕の持論で、ヒロトとマーシーのペアは3作目から音楽性の幅の広さを見せつけてくる、というのがあるんですけど。TRAIN-TRAINしかり、ロブスターしかり。
現に今回の2作はテンションが同じ方向にばかり向かっています。
ノリノリのアゲアゲです。それのみです。『レフュージア』くらいかな、もの悲しいのは。
でも買ってよかったと思っているのは僕が単純にファンだからでしょうか?
ところどころにウルフルズ感や、奥田民生感を感じ取ってしまいました。
これらのアーティストが好きな人なら楽しめるかな、と思います。





